外国人向け書道体験- 書道の基本を学ぶ

このページでは、外国の方に「書道」を説明するときに役立つ知識や、体験の基本的な流れを解説します。
体験の前に「書道」の基本的な歴史や道具、作法について学んでいただくと、より体験が充実したものとなるでしょう。

外国人にとっての書道体験とは

書道とは、筆と墨を使い、文字で自分自身を表現する日本の伝統芸術の一つです。書道の歴史は、2000年前から中国で始まり、日本に伝来してから独自の発展を遂げてきました。その歴史は受け継がれ、現在も日本の多くの学校で授業の一環として書道が取り入れられています。パソコンやスマートフォンに向かって文字を”打つ”ことが多くなった今、伝統的な日本文化の文字を”書く”体験は特別なものになるでしょう。

書道の歴史、中国から伝わり進化を遂げる日本芸術

かつて、日本語は独自の書き言葉を持っておらず、現在の日本語の文字(漢字、ひらがな、カタカナ)は中国語を基に作成されました。日本語の大本である中国語の漢字は5〜6世紀の間、仏教徒により中国から流入し、写経が盛んに行われるようになりました。奈良時代になると、漢字を基にした日本独自の文字である『かな文字』が生まれ、貴族から大衆へと広まっていきました。8〜9世紀頃、嵯峨天皇、空海、橘逸勢が『三筆』と称され、中国の書に忠実な漢字の作品を数多く残し、10〜11世紀になると、『三蹟』と呼ばれる小野道風、藤原佐理、藤原行成が、かな文字を交えた日本独自の書道のかたちを確立していきました。書道は中国から伝わったものの、日本の歴史や文化を経て、現在も多種多様に進化を遂げている、日本を代表する文化芸術のひとつです。がっていきました。現在も華道の進化は止まることを知らず、様々な形で世界中の人に愛されています。

書道の表記を知る

前述の通り、日本語では3種類の表記を使い分けます。

【漢字 阿】…中国語の漢字を基に作られた日本独自の漢字表記。それぞれの漢字は絵を元に作られ意味がある。

【ひらがな【例】あ】…簡体字*からできた46文字のアルファベット。*簡体字:主に中国本土で使用され簡略化された漢字。

【カタカナ【例】ア】…漢字の一部からできた46文字のアルファベット。主に外来語に使用される。

書道の代表的な道具 般若心経

代表的道具を知る

  • 筆(Brush):様々なサイズと種類があり、用途によって使い分けられる。筆の毛質は馬、羊、やぎ、アライグマ、イタチなどで、幹は 竹、木を使用する。
  • 墨液/墨汁(Ink):主にすすとのりで作られた筆に浸される黒や朱のインク
  • 半紙(Calligraphy paper):書道専用の薄い和紙。
  • 硯(Inkstone):実際に文字を半紙に書くときに使用される墨を入れるためパレット。石で作られていて、水と墨擦りよって墨液を作る際にも使用される。
  • 下敷き(Underlay):ウールでできた2mmの厚さの書道用の下敷き。文字を書いている間、筆の圧から紙を守り、文字を書いている間に机が汚れないようにするための道具。
  • 文鎮(Paperweight):半紙が動かないよう半紙と下敷きの上に置かれる重り。

書道体験の流れ

1. 姿勢を正す

左手で半紙を押さえます。背中を正し、少し前に姿勢を傾けます。深く息を吸い込み、心を落ち着かせます。

2. 墨をする

墨を三本の指で動かしながら、小さい円を描きます。粘り気が出るまでその動作を続け、墨が溶けてきて、粘度が高まってきたら少しずつ、大きな円を描きます。その後『海』と呼ばれる硯の沈んだ部分に擦った墨液を流し込み、これを2、3回繰り返します。最後に、墨液を広げるために、海の部分に水をたらします。

3. 筆を持つ

本の指(人差し指・中指)で筆の真ん中より少し下を持ちます。親指は人差し指との間に置かれます。他の指は後ろから軽く筆を持つように掴みます。

4. 筆で書く

筆は手首だけで動かすのではなく、腕全体を使って動かします。筆を持つ腕は机と平行であり、机の上から離してください。
基本的な線の書き方を練習し、ひらがな、カタカナ、漢字をお手本を真似て書いてみます。上手く書けるようになったら体験の最後には、自身の作品を制作し、お土産としてお持ち帰りいただけます。

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