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住友商事(株)国内スタッフ向けイベント- 禅 / ZEN を知る

オンライン坐禅体験の講師の写真

前回、外国人スタッフ向けのオンライン研修を実施した住友商事株式会社様のイノベーションラボ「MIRAI LAB PALETTE」と共に、「禅 / ZEN を知る」というテーマで日本人社員の方にも参加いただける、一流講師によるオンラインの日本文化体験を開催しました。

参加者は国内の住友商事社員だけでなく、海外に駐在している日本人社員の方や、MIRAI LAB PALETTE に登録頂いている方も含めて約150人。講師の京都・臨済宗「退蔵院」副住職 松山大耕氏から禅の極意や、禅とZENの違いなどについて講演をしていただきました。

イノベーションラボでの文化体験の意義

MIRAI LAB PALETTE は住友商事様のイノベーションラボとして、あらゆるジャンルの垣根を越えて、さまざまな人々が出会い、最先端のテクノロジーに触れて刺激し合うことを目的に、2018年に開設されました。

スタートアップ支援はもちろん、ビジネスの分野から文化・芸術の分野に至るまでジャンルに捉われることのない、多様なプログラムやイベントを提供しています。また現在では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う社会情勢におけるイベントとしてMIRAI LAB PALETTEのメンバー内発的動機から生まれるあらゆるアクションを全面的にサポートする取り組みを行っています。

今回はその一環として、MIRAI LAB PALETTEと和文化エクスペリエンスの共同開催のオンライン配信「禅 / ZEN を知る」を開催しました。参加者の方に禅の精神や本質を理解いただき、心身の整え方を知り心の健康をはかること、日頃の業務における集中力向上に役立つ企画です。

講義内容の概要

禅=シンプルであること

まず「禅とは何か?」という禅の歴史とその本質についての基礎的な講義にはじまり、海外でも使える禅の考え方についても解説がありました。

オンライン坐禅体験の様子

「禅」の特徴は2つ。

1. 禅=シンプルであること
禅が漢字で「単」を「示」すと書かれるように、自らの衣食住をシンプルにしていくことで、心もシンプルにしていくことを目指します。

2. 実践、体験を重んじる
我々が何かを学ぶときは、まず論理を学び理解してから実践に移すことが多くありますが(これを「聞思修(もんししゅう)」という)、禅は達人の所作をとにかく真似るところから入ります。そして、長い修行を経てそれまでの道のりを回顧した際に、初めて自分が何を会得したのかを理解します。

つまり、禅の修行では、シンプルな心を身に着けた人の所作を真似て、その「人となり」に近づくことを目指すのです。

複雑で忙しい世の中で必要

ネット社会で情報に溺れる若者に対して、松山氏は「人生の選択すら他人に提供されないと選べないとは、如何にも不幸である」と述べました。

我々は日々、数えきれない情報や選択肢に囲まれています。そのなかからどれを選ぶべきなのか、どのように価値・評価を与えるのか、ということについて明確な基準を持ち合わせていません。つまり、本来ありがたいはずの情報・選択肢は、かえって我々を悩ます煩悩の種となっているのです。

情報や選択肢に惑わされず、自分で自分の人生を切り開いていくためには、人間としての「軸」を持つことが、現代社会においてより一層求められていると松山氏は語ります。

オンライン坐禅体験の様子

「挨拶」、「主人公」、「平常心」、これらの言葉は、禅に結びつく言葉でもあります。例えば、禅として解釈する「主人公」は、物語のヒーローという意味ではなく、主体性のある個人という意味です。口コミサイトなどで、飲食店やテーマパークの評価など、スコアリング・レーティングされつつある世の中で、人の評価に左右されず自分自身の意思決定ができるのかという問いかけが「主人公」という言葉には含まれています。

人間関係は言葉ではなく、「人となり」が重要

近年、セクハラ・パワハラといったハラスメントが問題になり、様々な企業でハラスメント研修が行われています。松山氏は、こうしたハラスメントは個々の行為よりも、その行為を行う人の “non-verbal communication” (直訳すると非言語コミュニケーション)が重要と述べます。

相手に不快な気持ちにさせないために「○○を言ってはいけない」、「○○をしてはいけない」などといった個々の行為に焦点を当てているハラスメント研修ではなく、人格としての「人となり」を意識したものが本質です。

このことに関連して、松山氏はもう一つ例を挙げています。それは終末期患者と医者との信頼関係に関する調査研究で、信頼関係の構築に対する寄与度は “non-verbal communication” が8割を占めたというものです。医学的に正しいことを丁寧に説明してもらうことよりも、そばにいてくれるだけで安心するという場合があることは、その医師の「人となり」が患者にとって救いになっているからなのかもしれません。

一流の人は見えないものを大切にする

上記の「医学的に正しいことを丁寧に説明する」医師はそれだけでは二流です。どの分野においても一流は、目に見えないものや耳に聞えないもの(=non-verbal communication)を重んじ、相手により強い印象を残します。

ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』は、冒頭、8分休符の後に全ての楽器が演奏を始めるため、指揮者、演奏者全員が最初の一音に全神経を集中するような仕掛けになっています。このようにして、あの迫力のある「ジャジャジャジャーン」が作り出されています。8分休符という、耳に聞こえないものにまで気を配ったベートーヴェンは、まさに一流といえます。

オンライン坐禅体験の様子

参加者のコメントと体験を終えて

体験後のアンケートで、「イベントの内容に満足していますか?」という質問に対して、99%の参加者が「大変満足」、もしくは「満足」と回答されました。また数々の好評のコメントをいただいております。

「松山住職のお話は非常にわかりやすく、ひとつひとつ心に響いた。日本文化と西洋文化の違いも分かり大変勉強になった。」

「日本人の本質に迫っていく企画そのものが良かった。海外の経営者が何故日本から学びを得たいのか、時代の転換期に一つ一つ理解をしていきたい。」

「過去参加したセミナーの中で最も印象深い内容だった。」

住友商事スタッフご参加者様のコメントより一部抜粋

筆者自身も、コロナ禍で不安な世のなかに、改めて心身を整えることの重要さと禅の奥深さを感じた1日となりました。



体験のショートムービー

和文化エクスペリエンスでは、”Learn From the Best” というコンセプトのもと、一流の講師から日本の伝統文化を受講し、様々なことを振り返るとともに、新しい物事を発見していくという目的で様々なプログラムを展開しております。