外国人向け華道体験-華道の基本を学ぶ

このページでは、外国の方に「華道」を説明するときに役立つ知識や、体験の基本的な流れを解説します。
体験の前に「華道」の基本的な歴史や道具、作法について学んでいただくと、より体験が充実したものとなるでしょう。

外国人にとっての華道とは

華道とは、四季折々の樹枝・草花などを用いて形作られる日本の伝統芸術のひとつです。華道にはお花を『生ける楽しみ』だけでなく、生けたお花を『見る楽しみ』もあり、華道を通して日本の四季を味わうことができます。また、360度全方位から楽しむ豪華絢爛な西洋のフラワーアレンジメントとは違い、日本の華道は花の正面を一面決めて、空間と間をはかりながら花を生ける楽しさがあります。華道体験を通して、古来から日本人が大切にしてきた美徳と和の心を学ぶことができるでしょう。

華道の歴史

華道の歴史は、6世紀頃に僧侶が法事で花を備える『供花』を始めたところからはじまります。平安時代の文献資料にも、貴族の習慣として、季節の花を切って花瓶に刺し、室内に花を置いて楽しむ『一輪挿し』を記す記録が残されています。日本の美意識に多大な文化を与えた室町時代になると、『立花(中心になる花をまっすぐに立てる生け方)』が確立され、現在の華道の基礎となりました。現代の茶道の基礎を築いた千利休が有名になり、茶道が貴族から大衆にも広がると同時に、華道も民衆へと広がっていきました。現在も華道の進化は止まることを知らず、様々な形で世界中の人に愛されています。

華道の基本、役枝を知る

華道で用いる花材には、役枝と呼ばれる役割が与えられています。役枝には3種類あり、次のように分けられます。
※主枝(真・副・体)の名称、長さは流派によって異なります。ここでは池坊の流派を例として挙げています。

In the Ikenobo School, each flower or element is assigned a different role (yaku-eda) in the overall composition. There are three roles in total:

【真】…中心となる枝ものの花、真ん中に置かれる

【副】…真の花に添える草花、草花の高さは真の2/3の高さ

【体】…副に対する合わせ花、草花の高さは真の1/2の高さ

剣山とはさみ 華道の作品を鑑賞

代表的道具を知る

  • 花材(Flower material)
  • 華道で生けられる花、草、枝など。花はその時期にあったものが選ばれ、四季折々の姿がみられる。
  • 花器(Flower vase)
  • 花材を生けるための入れ物。花器の種類は、壺や瓶や水盤など多種多様で、花を生ける器、色、形、大きさも華道における空間づくりの大切な要素のひとつ。
  • 花切りハサミ(Flower scissors)
  • 花材を切るための専用のハサミ。固い枝も切れるようになっている。
  • 剣山(Pinholder)
  • お花をさして、花材の向きや角度を固定するための針が刺さった道具。

華道体験の流れ

1. コンセプトを決める

自分がどんなイメージで今日のお花を生けたいかを考えます。生けている途中で、最初と考えが変わっても大丈夫です。

2. 樹枝・草花を選ぶ

最初に考えたイメージに基づいて、使っていく花材を決めていきます。自分の思うように選んでみましょう。

3. 花器を選ぶ

華道を楽しむうえで、お花と同様に花器も重要な要素のひとつになります。花器が違うだけで、一気に雰囲気が変わります

4. 花材をきり長さを揃える

華道の基礎である真・副・体を意識しながら、ついに花を生けていきます。

5. 鑑賞する

生けるだけで終わりでないところが華道の面白いところです。生けた後に、作品を鑑賞してみましょう。

お花を長く保つ方法

水切りする

花材の最下部を水中で切ることを「水切り」と言います。これがお花を1番よく保つ秘訣です。

室温を涼しくする

お花は熱に弱いので、涼しいところに置いてあげましょう。

水をキレイに保つ

毎日水を交換するとお花が長持ちします。

空調の風が直接当たらないようにする

空調の風が当たるとお花は風で乾燥してしまいます。

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